新鮮であることは、生鮮食品で当たり前のことですが、農産物では難しい問題の一つとして挙げられます。 『なぜ、スーパーや百貨店の農産物は、鮮度が下がるのか』 1.農産物が皆様の手元に届くまでに、何ヵ所もの市場を通って辿り着きます。一方で鮮度は待ってはくれません。 市場で競りにかけている間、市場を経由している間に数日はかかるからです。 2.スーパーや百貨店においても、到着して陳列する間、陳列してから皆様の手に届く間に鮮度は落ちていきます。 3.ずっと冷蔵すれば問題ないのでないかと思われがちですが、実際に全ての工程で冷蔵することは、コスト面でも 厳しいですし、全課程で冷蔵し続けることは不可能でしょう。 当園では、注文を頂いて、全ての準備が整ってから、収穫しております。収穫したものは、基本的に即日発送して おりますので、実際、お客様の手に届くまでの時間は、収穫から1日~2日程度のものとなっております。
果物ならば、完熟であることは、おいしさの基本となりますが、どの果物も完熟で出回っているとは限りません。 『なぜ、完熟の方が美味しいのに、完熟を嫌うか』 1.桃やりんごは、完熟であればあるほど、日持ちしないので、一般的に完熟手前で収穫することが多い。 2.完熟したりんごは、1-MCP処理や冷蔵保存などの長期保存法に向かない。 3.一般的に、早期出荷の方が相場が良いため、完熟するまで待たずに出荷することが一般的である。 当園では、完熟するまでとにかく待ちます。りんごのフジでは雪に当てるため、『冠雪ふじ』になるぐらい待ちます。 本当のおいしさをお客様にお届けするために、早期収穫はしておりません。お客様には、本当に申し訳ないのですが、 ご注文を頂いてからの発送が遅い理由の一つとして、完熟するまで私たちも待っているからです。
お値段が高かったが、見た目もいいし、包装も完璧。けど味が…という経験は御座いませんか。 『なぜ、高ければ、見た目が良ければ、包装が良ければ、おいしいといえるのでしょうか』 1.大玉や大房は、見た目がとても良く、高価になりやすいが、味が乗らない場合が多い。 2.味が美味しくても小傷1つあるだけで、等級は1~2つ下がり、最悪、廃棄処分となるのが実状。 3.包装を立派にすることで、高価販売できるが、実際の味は変わらない。 当園では、見た目1割、中身9割を目指しております。よって、過剰包装はせず、全ての梱包資材も 普通のものを使っております。また、味の乗りにくい大房、大玉を作らないようにしております。 また、ご家庭でもお買い上げしやすいようにリーズナブルな家庭用として、訳アリ果(小傷、サビ有など) を提供しております。
農家の平均年齢が67歳という日本の農業で、私たちはこれまで引き継がれてきた農業技術と環境を、 次の世代に繋げていかなくてはなりません。そのために私達、若手農業者は何ができるのでしょうか。 私の場合、有難いことに地元農業者さんや里親農業者さんなど、日々、周りの多くの方々から知恵を、 頂いています。その中で、今までの農業者の方々がこれまで築いてきた技術と意識レベルの高さには、 本当に驚かされます。時代と共に人間の生活スタイルや常識が変わり、農業スタイルや栽培品目、栽培 品種も大きく変わってきましたが、農業が国力の1つであり、決して疎かにしてよい分野でないと私は 考えております。これからもより研鑽して次世代の農業者、また、高杜農園の後継者に、今まで頂いた 知恵と私が学んだ知恵を託していきたいと考えています。
私は、農業は、自然の力が9割で、人間の力はわずか1割だと感じています。しかし、この1割の内容が が非常に重要になってきます。私の農園では、化学合成農薬は使いますが、化学肥料、化学合成土壌改良剤 は、ほとんど使いません。リンゴに関しては、ほぼ無肥料で栽培しております。また、農薬も慣行栽培と 比較して、8割程度で抑えております。(昨年、リンゴで防除を5割に抑えてみたら虫と菌の餌食になり ました。)除草剤に関しては、春と冬にグリホサート系以外の除草剤を園地の周りに散布する程度です。 園地内の草は、乗用草刈機と刈払機、鎌で対処しております。また、有機栽培ではないのですが、藁や 堆肥なども入れて、土壌水分の調整や土壌成分の調整を行っております。 本当に必要なのは、栽培名称でも、栽培マニュアルでもなく、必要な時に必要な防除を行い、各作物が 健康で美味しい果実をつけてもらえる方法を探すことだと考えています。
近年は糖度がおいしさの指標になってる様相がありますが、本当にそうでしょうか。 好みは人それぞれですが、私はナガノパープルや巨峰が好きです。透き通る酸味が ある中で、適度に甘い。りんごの場合、ぶどうより糖度は劣りますが、すっきりした 甘さがあり好きです。農家の醍醐味として、自分のおいしいをお客様に提供できる といった利点があります。本農園では、本当においしいものを求めて、これからも 自分たちのおいしいと、お客様のおいしいを探求していきたいと考えています。